今回の記事では「サクラノ刻」に関する感想と評価を述べています。細かいネタバレはしないので、興味のある方は是非、購入してプレイしてみてください。前作未プレイの方は「サクラノ詩」のプレイ(鳥谷ルートは特に)必須です。また前作のネタバレは含むので注意。
ソフトの詳細については下記を参考にしてください。
9,270円
シナリオ紹介
弓張学園を卒業後、弓張学園での非常勤講師として働いてた。そして晴れて常勤講師として正式に講師となる。しかしかつての美術部の姿はなかった。生徒たちと共に美術部の復活をさせることになる。。。
概要・要約
前作のⅥ章以降の続きからの始まりとなります。かつてのライバルであり親友とも呼べる存在を無くした主人公の草薙直哉は夏目家で藍と共に生活を送っています。そして教員であり、美術部の顧問という立場から生徒と関わりを深めます。
しかしかつて直哉がその制作に関わった父の遺作とのいざこざに巻き込まれることになります。そうしてまた筆を執ることに。。。
今作は個別ルートの物語も存在するが、概ね夏目藍を中心とした1本ルートに近い形式です。かつての美術部とも再開を果たしながら物語が進んでいきます。
共通ルート
1章と2章が共通ルートとなります。
1章では鳥谷静流がメインとして今作の作品の主題となる碧緋についてフォーカスされます。それはかつて草薙健一郎の作品にも関係したり、鳥谷紗希と本間麗華とのいざこざなどとも関係してくる内容となります。前作で語られなかったサイドストーリー的な内容となっています。
2章では直哉が教師として生徒とイチャイチャするルートとなっています。ただ、前作と異なり、ここで皆でなにか作品作りなど団結するシナリオもほとんどなく、3章への準備となるパートです。
メインヒロイン
本間心鈴
本間礼二郎の娘であり、母は中村麗華である。麗華にそっくりな見た目をながらも物腰は柔らかである。そして絵の才能に関しては作中でも上位に位置する。
個別ルート
シナリオに関しては正直そんなに覚えていないです。ただ二人の関係が深まるシーンが続きます。本間礼二郎(父親)が登場したり、寧が登場したりしますがそれでも内容は薄いです。
ただ、とにかくいちゃいちゃシーンがいいです。一部のロマンスなシーンでは作者の完全な性癖が前回となっていますが、全体的にいいです。
鳥谷真琴
かつての美術部の仲間であり、鳥谷紗希の娘である。現在は雑誌の編集者として活動していて、弓張市で起きている碧緋についての調査に来ている。
個別ルート
碧緋についての話が中心となりつつ前作では雑に扱われた(と個人的には感じた)ルートがより深く展開されます。1章の続きとなるのでシナリオも面白いです。
夏目藍
主人公のかつての教師でありながら、同居人である夏目藍。前作ではあまり焦点を当てられなかったが、今作ではtrueルートになる。
個別ルート
Ⅵ章にて藍ルートとなります。
Ⅳ章以降には圭の過去、Ⅴ章では直哉が芸術家として復活?を目指し、前作で登場したムーア展へと挑戦することになります。当然そこには表彰を目指す画家たちが多く登場し、絵描き勝負なども展開されます。そしてかつて直哉たちの活動を妨げてきた長山香奈らも登場するまさに今作の一番の見どころが始まります。
そしてムーア展が終わった後に藍ルートとしてその後が描かれます。内容は筆舌に尽くしがたいぐらい良い内容となっています。最後のシーンはとにかく最高でした。
面白い点/イマイチな点
良かった点
夏目藍ルートが描かれている
とにかくこれに尽きると思います。前作では消化不良のまま終わってしまった感が否めなかったのですが、それが完璧なまでに描写されています。
かつてのキャラの描写
個人的に続編系統の作品では過去のキャラクターが登場するのが好きなので、とても良かったです。やや存在感のないキャラクターもいましたが、演出上仕方ないことだと割り切ってます。
特に長山香奈など、前作ではあまりいい印象が無かったキャラにもフォーカスされていたのは最高でした。
最高のエンディング
前作では終盤の描写が弱く締まりの悪い終わり方でした。それが今作では完璧な終わり方を迎えます。特に最後の弓張学園の階段の上でサクラを背景にした1枚をみて、感極まりました。草薙直哉の物語が終わったのだなぁとそう思えるショットでした。
イマイチな点
攻略対象キャラが少ない
制作者が軽く触れていたのですが、次回作(FDのような形)で描写する予定があるようなのであまり気にならないかも知れません。むしろ藍のルート1本に絞られている分良かったという見方も出来ると思います。
曲が前作に比べて弱い
こればかりは仕方ないことなのかもしれません。前作の「櫻ノ詩」などに比べてしまうと個人的に好みではないのですが、それでも名曲であることには変わりません。BGMに関しても良い曲が多いのですがやはり前作ほど耳に残る曲が少なかったです。
前作ありき
続編の作品なので当たり前ですが、前作のキャラや出来事にフォーカスがされすぎているのは勿体ないと感じました。
今作から登場や描写されたキャラが多いのですが、あまり物語に関わってくることも少ないのでもう一歩及ばずの仕上りだと感じます。具体的には、鳥谷静流や心鈴などへの描写に対して、前作のⅥ章で登場した部員の描写があまりにも少なかったです。
こんな作品が好きな人に向いている
サクラノ詩
言うに及ばずですが、前作の物語が好きだった人にはおすすめです。特に前作のラストに納得感がない人は今作でその物語が完結するので必見です。
総合評価
個人的な感想ですので注意
評価・おすすめ度 4.35/5.0
シナリオ 85/100
キャラ 90/100
文章 85/100
曲 85/100
作画 90/100
総合 430/500
評価と感想
まさかの前作とほぼ同じかそれ以上の評価となるとは思いませんでした。(自分で点数をつけているのでおかしな話ですが)
全体的に進化してきた作品ですが、曲など好みの面で評価を落とし多分が多くありました。詳しく書いていきます。
シナリオ
全体的にまとまっている作品です。前作では今作に向けての伏線のような形で雑な終わり方をした中で、今作は納得感のある終わり方をしました。とにかくエンディング至上主義な方であれば文句なしの作品です。
ただどうしても後続の作品ということもあり、前作の補足、サイドストーリー色の強い共通ルートなどだったので新鮮味がなかったり、個別ルートが少なすぎる点が気になりました。
キャラ
前作のキャラにフォーカスを当てつつも今作のキャラも魅力的に描かれました。ただイマイチな点で述べたような点で評価を下げました。
文章
前作のマニアックな芸術家に関する知識面などが減ってだいぶ読みやすいシナリオとなったと思います。また日常パートのやり取りも仲睦まじい様子が描かれて青春を感じさせる内容でした。
曲
今作がというよりも前作の曲が完璧すぎて、それと比較するとという点でこの評価となりました。
作画
前作から何年も空いていることもあってか、かなり進化しています。1枚1枚の気合の入り方がとにかくすごいです。またⅥ章のCGは全部がとにかく良いです。
気になる方はプレイして確認してください。
総合得点
前作よりは全体的にパワーアップした作品となっています。そのため万人受けする作品に仕上がっています。(とは言え前作のプレイ必須なので万人受けは意味ない気も、、)シナリオへのウエイトが高い作品が好きなので、点数上は今作ですが、個人的には前作の方が好きです。
全体的に良い作品でした。また、作者も次回作としてFD的な立ち位置のものを作りたいと仄めかしていたので期待が高まります。
気になる方は下記より調べて見てください。
DMM
9,270円
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